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中小企業の改正労働基準法対策

1.改正労働基準法のポイント

2010年4月1日に改正労働基準法が施行されます。今回の改正では【長時間労働の抑制】と【労働者の健康確保】そして【仕事と生活の調和(ワークライフバランス)が取れた社会を実現すること】に重点が置かれた内容となっています。

具体的なポイントは下記の表のとおりです

表1
改正内容 対象企業
(1)36協定締結にあたり限度基準を超える時間外労働に対する一定の期間ごとに割増賃金率を定めること 義務 すべての企業
(2)36協定締結にあたり限度基準を超える時間外労働を可能な限り短縮すること 努力義務
(3)限度基準を超える時間外労働に対する割増賃金率を25%超とすること 努力義務
(4)1ケ月60時間を超えて時間外労働させた場合の割増賃金率を50%以上とすること 義務 大企業のみ
(5)(4)の場合の引上げ分の割増賃金の支払いに変えて有給の休暇(代替休暇)とすること 労使協定
(6)年5日を限度として時間単位の年次有給休暇を付与すること 労使協定 すべての企業

経営者様の間では(4)にばかり目が行き、「改正法は中小企業には適用されないので特段の対応は必要ない」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、そのように結論づけるのは短絡的と言わざるを得ません。

ここから、改正労働基準法の対応に潜むリスクをご説明していきます。

2.本当に御社は「中小企業」ですか?

法定割増賃金率の引き上げについては、中小企業に該当する場合は当分の間適用が猶予されます。(改正法施行後3年をメドに改めて検討の予定)

中小企業に該当するか否かは「資本金または出資の総額」と「常時使用する労働者の数」で判断され、表2に該当する企業が猶予対象となります

表2 猶予される中小企業
業種 資本金・出資金の総額 または 常時使用する労働者数
小売業 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他 3億円以下 300人以下

表2の「業種」については総務省統計局の「日本産業分類」によることとなっています。この表によると一般的にサービス業と認識されている「飲食店」は「小売業」に分類されています。

日本標準産業分類」(http://www.mhlw.go.jp/za/0730/d27/d27-02.pdf)

注意点1 御社がこの分類で「中小企業」に該当しているか確認。

「常時使用する労働者の数」は事業場単位ではなく企業単位で判断することになりますので、いわゆるパート・アルバイトも日々雇用や短期間雇用を除いて労働者数に含まれることとなります。

注意点2 御社全体の労働者数(パート等も含む)を再度確認。

労働基準法が適用される事業主であれば、独立行政法人や協同組合・個人事業主も適用対象となります。個人事業主の場合は労働者数のみで判断されることとなりますので注意が必要です。

あわせて、数年以内に増資を計画しているような場合も、増資をした結果「中小企業」から外れてしまうことがありますので注意しましょう。

3.法定休日と所定休日

1ケ月60時間の法定時間外労働の算定には法定休日に行った労働は含まれませんが、それ以外の休日(所定休日)に行った法定時間外労働は含まれることとなります。

法定休日の特定は労働基準法上の義務ではありませんが、法定時間外労働の算定にあたり法定休日が特定されていない場合に算定に困難な問題が生じる懸念があります。

注意点3 就業規則により法定休日と所定休日を明確に分けるようにする。

4.限度基準を超える労働時間を定める36協定(特別条項付き36協定)を締結する場合

改正法において、特別条項付き労使協定を締結する場合は(1)限度基準をを超えて時間外労働を行う一定の期間(1日超3か月以内・1年間)ごとに割増賃金率を定め、(2)その率を法定割増賃金率(25%以上)を超える率とするよう努める、とされています。

改正法施行にあわせて法定割増賃金率以上の割増賃金を労使協定で定めた場合は、賃金の決定・計算に関する事項であるため就業規則にも記載する必要があります。

注意点4 特別条項付き労使協定を締結し、新たに割増賃金率を定めた場合は就業規則にも新たな割増率の記載が必要

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